株の初心者用 基本的な株式用語(指標)をおさらいする【EPS/BPS/PER/PBR/ROE】
「PERが15倍」、「PBRが1倍以下」とかよく聞きますよね。
これらの指標は株式投資の企業分析を行うのに非常によく使われ、株の初心者用の本でも必ずと言って良いほど取り上げられています。
逆に一歩踏み込んだ投資法についての本だとこの程度は既に知っているものとして扱われることが多いです。
株式投資をするにあたりしっかり学びたいと思います(^^)
企業分析について
企業分析の重要性
株式投資の分析方法は大きく「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」に分かれます。
「テクニカル分析」とはツールを用いて過去の株価や出来高の推移から将来の株価を予想していきます。
有名なのは移動平均線ですね。
今回はテクニカル分析については詳細に触れません(^^;)
テクニカル分析についてもいずれ私なりにまとめて記事にしたいと思います。
今回、取り上げるのは「ファンダメンタル分析」。
企業の財務状況や業績、国の政治経済、世界の情勢なども加味して株価を予想していきます。
デイトレーダーのような短期売買に特化するなら別ですが企業分析は株式投資で良い成績をあげるためにとても重要になってきます。
初心者でも抑えておく指標
企業分析はとても奥が深いです。
財務諸表を見て、IRを見て、過去の業績を調べ、同業種のライバル会社と比較し、ビジネスモデルを吟味して将来を予測する・・・。
私のような初心者では本格的な分析は難しいですが投資家のバイブルとも言える会社四季報の情報をもとに四苦八苦しながらやっております(^^;)
その中で投資家が参考する、株をやってないと聞きなれない英語3文字の指標が色々出てきます。
PERとかPBRとか・・・。
今回の記事はこれらの基本的な株式指標を初心者のうちにしっかり頭に叩き込もうと思い、自分なりにまとめてみました(^^)
基本的な株価指標
EPS
EPSとは「Earnings Per Share」の略称で日本語に訳すと「1株あたりの純利益」となります。
名称の通り当期の1株あたりの純利益を示す数値で企業の成長性を判断する際に参考にする指標です。
計算式は
当期純利益÷発行済み株式数
となります。
発行済株が200万株で2億円の当期純利益の企業のEPSは
2億÷200万=100円
となりこの企業のEPSは100円となります。
純利益とは営業活動であげた収益から法人税等のコストを差し引いた金額となります。
■EPSの活用方法
EPSが変動する要素は
- 純利益が変動する
- 発行済株数がする
となります。
純利益が上がることは特別な理由がない限り、好材料です。
発行済株数が上がるのは企業が自社株買いや株式併合をし、株数を減らした場合です。
定期的に自社株買いをすることによってEPSを高く保つ施策を取っている企業は株主のことを大事にしていると言え、好材料となります。
またPERと併用し「目標株価」を設定する際にも活用されます。これについては後述します。
PER
PERとは「Price Earning Ratio」の略称で日本語に訳すと「株価収益率」となります。
PERは株価と企業の利益を比較し、株価が妥当かどうか(割安か割高か)を判断する指標となります。
今の株価が「1株あたりの当期純利益(EPS)」の何倍かを知ることにより、割安かどうかを判断するのです。
計算式は
株価÷1株あたりの当期純利益(EPS)
となります。
株価が1000円でEPSが100円だとするとPERは10倍ということになります。
■PERの活用方法
PERは「投資資金を何年で回収できるか」という視点で考えます。
例えばEPSが100円で株価が1000円。EPSは1株あたりの当期純利益です。
純利益はすべて株主のものとされます。
EPSが100円で株価が1000円なら株主が資金を回収するのに10年かかると考えることができますね。
PER10倍=10年で投資資金を回収できる
という意味でPERは低いほど割安ということになります。
特に中長期投資家は業績が良い割に割安な企業を探す際にこのPERを参考にします。
一般的にPERの平均は15と言われていますのでこの数値が一つの目安となります。
■PERで気を付けること
株価は先々の予想を織り込んで行くので予想PERで判断することが重要です。
実績をもと算出されてEPSではなくあくまでも将来の予想値で算出されたEPSを用いることです。
また成長が著しい企業は「将来の業績」を加味することも必要です。
今期のEPSが100円としても来期が150円、来々期が200円と成長が見込める場合は、現在の株価が1500円でPERが15としても3年間のEPSの平均の150円をもとにPERを算出し10と考え、割安と判断することがあります。
PERについては奥が深く、色々な見方があります。これについてはちゃんと勉強したうえで改めて記事にしたいと思います。
BPS
BPSとは「Book-value Per Share」の略称で日本語に訳すと「1株あたりの純資産」となります。
EPSが利益の面で企業を判断する指標とするとBPSは資産の面で企業を見ていく指標となります。
純資産とは資産から負債を差し引いたもので一時的に増えるような要素を取り除いた純粋なる資産のことを指します。
純資産は会社が解散するとすべて株主に還元されます。
計算式は
純資産÷発行済み株式数
となります。
発行済株が200万株で4億円とすると
4億÷200万円=200円
となります。
■BPSの活用方法
BPSが変動する要素は
- 純資産が変動する
- 発行済株数がする
となります。
EPSの「純利益」の部分がが「純資産」に変わったとイメージしていただければと思います。
発行済株数上がる要素はEPSでご説明した通り、自社株買い等があります。
BPSは資産面を見る指標だけあり、会社の安定性を計る参考になります。
PBR
PBRとは「Price Book-value Ratio」の略称で日本語に訳すと「株価純資産倍率」となります。
収益面で今の株価が割安かどうかを判断するPERに対してPBRは資産面において株価の割安度を判断する指標です。
計算式は
株価÷1株あたりの純資産(BPS)
となります。
株価が200円でBPSが200円だと
PBRは1倍となります。
■PBRの活用法
BPSの説明の際にも記載しましたが、純資産は会社が解散すると株主に還元されます。
還元される金額が今の株価より高い場合はPBRが1倍を割り、且つ将来的にも収益も見込めると仮定すると株価は割安と判断できます。
逆に今の株価が還元される金額より著しく高い場合は(BPSが200円に対して株価が2000円等)仮に会社が解散すると株主の手元には株価の1/10の金額しか返ってこないことになり割高と判断します。
現在は一般的にPBRが1倍前後なら割安と判断されるようです。
ROE
ROEとは「Return On Equity」の略称で日本語に訳すと「株主資本利益率」となります。
ROEは自己資本を元手にどのくらい利益を出しているかを見る指標です。
計算式は
当期純利益/自己資本×100
となります。
自己資本は4億円で当期純利益が1億円の場合は
ROEは25となります。
■ROEの活用方法
会社の収益を単に金額の大きさだけで判断するのではなく、自己資本に対してどれだけの利益を出しているかを示します。
自己資本が1億円で1000万円の純利益のA社と自己資本2000万円で500万円の純利益のB社と比較した場合、利益自体は1000万円のA社の方が高いですが、自己資本の割合から見るとB社の方が効率よく利益を出していると判断します。
- A社 ROE 10
- B社 ROE 25
ROEは海外投資家に注目されやすいとされています。
PER,PBRと併せて確認しておきたい指標です。
それぞれの指標の関係を見る
「EPSとPER」「BPSとBPR」
EPSとBPSというのは実はそれほど表立って出てきません(^^;)
しかし、それぞれPERとBPRを算出する過程で必要になることを解かっていただけたかと思います。
- PER=株価÷1株あたりの当期純利益(EPS)
- PBR=株価÷1株あたりの純資産(BPS)
PBRとPERとROE
PBRは1株あたりの純資産を株価で割った数値、PERは1株あたりの当期純利益を株価で割った数値、そしてROEは自己資本(純資産と同義と考えます)を当期純利益で割った数値となります。
この3つの指標は密接な関係にあります。
ROEを1株あたりに計算すると
ROE=1株あたりの当期純利益(EPS)/1株あたりの自己資本(BPS)
となります。
このように考えると
PBR=PER×ROEということがわかります。※上の図参照
この3つの指標を俯瞰してみるとさらに奥深い分析ができるようになります。
■3つの指標を合わせた活用例
PBRが1倍の企業があったとします。
この数値だけ見ると悪くはない(割安)なのですが・・・。
他の指標も見てみましょう。
PER:100 ROE:1%
これでは収益面で難があり、割安とは言い難いですね(^^;)
PER:10 ROE10%
これなら資産面、収益面においてもまずまずですね(^^)
このようにPER、PBR、ROEは3つまとめて見るのが良さそうです。
参考にした本
おわりに
私も株を始めた当初より、これらの指標は勉強したつもりでしたが、とある株式投資の動画セミナーで「EPSが〇〇円~」のうような説明があり一瞬「??」となってしまいました(^^;)
これらの用語は様々な投資方法を勉強するにあたり頻繁に出てきますのでしっかり頭に叩き込もうとこちら記事を作成しました。
参考になれば幸いです。